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nest [凛]

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奥へと更に入り込めば、そこには出入り口がまたあった。当然ながらそこにも、うら若き女性がここには一人
ぽつんと立っていた。その後姿に少しの虚脱感と寂しさをも感じてしまう。だからであろうか
「ちょっと、すみません、良いですか」
少しだけ外人風に声をかけてみた。
「あっ、はい」
との返事が直ぐに、笑顔とともに帰ってくる。すかさず
「ここから一旦出てもまた、入れますよね」
と言うのは、外一面に群生する道路を一本隔てたところに見受けられたからだ。
「大丈夫ですよ」
と聞けば人類みな平等の精神からか
「写真を撮らせてください」
と口はさけていた。最初のときにもそうであったが、ここでも連写を使用する。
これはある種マジックの様なもので、一瞬にしてモデルへと変身させてしまう。
この日のためにこの笑顔の練習が伺える。ただし誰もが持つ習性であるにせよ。

道路に隔てられたそこへ辿り着いたなら、めぼしい被写体は何も見当たらないが、幾枚かは記録に残した。
一旦出たその出入り口からまた入り、奥にあった食堂にて昼食を済ませていた。水が良いからであろう
その時に食べたそばにアイスクリームは程なく美味かった。あの子、人とだったらアイスを
遠慮をするとも考えられないではないがきっと、旅の恥は掻き捨て、ではなく、
滅多に来れないのだから食べてみなよ、と勧めていたに違いない。いやいやながらも
満面に笑みを浮かべながらきっと、口にするに決まっている。

「オーイ、どうした。なーに、自分の世界に入り込んでいるんだよ、またか」
「イーや、美味いと思わん、そばにしろアイスにしろ」
「オッー、結構いけるよね、これだったらお勧めできるよ、で考えていたんでしょう
 あの子と一緒に来れれば良かったのになー、こんな野郎となんかじゃなく、とかさ」
「分かる、その通りなんだ、お前もだろう」
「言うか、イーや俺は違うね。写真を撮りたい一心で来たんだよ、けっ、オンナなんか何さ」
「どうした、お前らしくもない」
「実はさ、、、やっぱり止めとく、今度、帰ったら言うよ」
こうして二人はなぜか重苦しい中を明るく装いながら、帰路へと付いていた。キップ切の子らを誘うのも忘れて。
nice!(7)  コメント(6) 

nice! 7

コメント 6

chunta

暑い時のアイス
美味しいですよね~(*'ー'*)ふふっ♪
by chunta (2009-07-19 23:23) 

EF135L

xml_xsl様_ナイスをありがとうございます。

chunta様_ナイスをありがとうございます。
カキ氷もまだ、残っていますよ?
by EF135L (2009-07-20 07:00) 

ヒデキヨ

連写はマジック 仰るとおりです!
by ヒデキヨ (2009-07-20 12:17) 

EF135L

ヒデキヨ様_初めまして。ナイスをありがとうございます。
その気にさせましょう!?
by EF135L (2009-07-20 12:39) 

EF135L

yuki999様_ナイスをありがとうございます。

U3様_ナイスをありがとうございます。

kakasisann様_初めまして。ナイスをありがとうございます。
by EF135L (2009-07-21 08:57) 

EF135L

SAKANAKANE様_ナイスをありがとうございます。
by EF135L (2009-07-26 07:12) 

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