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Fantasy [2 U]



さて気を取り直して、前回からの引き続きをどうぞ。


その子の家には何度か遊びに行ったことはある。血気盛んな時期に。二人っきりになった

その場でも妄想にかられた。待っている風でもあった。けれども自制が働いた。どんだけ

彼女以外の女性、二十歳前のモデルのお世話となったにもかかわらず。それが今またその

本人を目の前にして知った。

実は当時その子の親友である幾子の家にもお邪魔していたのだ。無論この事は絵美子も

知っていると思ってた。だが今になって聞いたならば知らない。ライブを行う予定について

先ほど伝えたならば来るという。エッ?この前は家に帰る必要があるとかで式が終わり次第

とんぼ返りだったのに。旦那が煩いんちゃうの?子供が熱出して倒れていたから仕方なかったから

別室で話し込もうとしたのはだったら何?今更、だったのよ、と言われてもお幸せに!

としか言いようがないでしょう。それよりも今隣に座っている嶋口さんの方が[わーい(嬉しい顔)]そう、エッ?

今更積極的に来られても困るんですけど。幹事と言った重責を担った今、責務を全うする必要が

ある。君等とだけ談笑してもいられない。すると見計らったかのように芳田がやって来たかと

思うと席から追い出されてしまう。酔っ払いには逆らえない。呆然と立ち竦んでしまう。ふと

その時だ。奴の席が空いていると感じた。コップ片手の放浪で座ったならば、そう隣には元カノ

と今になって認めてくれていた隣の席に座ることができた。なんて良い奴なんだ、お前って奴は

伊達に遊んでいたんじゃねぇな。しかも元クラスメート全員が公然の事実として捉えている。

今更なのはよーく存じ上げている。胸の鼓動が収まらないのは何でだろう。
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