はてな?：ぽっぷらいふ：SSブログ

	ブログをはじめるログイン

はてな?　[凛] [編集]

｢アー良かった、命拾いしたわ。制限速度も30キロだったし、第一に今日が国民の祝日だったのも幸いよね
　皆さんゆっくりと走っていてくれてありがとう｣

｢言いますなー｣

｢少し古いけど"物言う何とか"って流行ったよね｣

｢あらまあ、懐かしいこと｣

｢それより何?わき道があるみたいだし、頂上まではまだあるみたいだからちょっと寄って行こうよ｣

｢次ぎ、止まりまーす、お降りのお客様はお忘れ物にご注意下さい。尚十分ほどの小休止ですので
　写真撮影、おトイレのご利用にも何かとご不便をおかけしますがご容赦下さい｣

｢ハーイ、分かりました。おいて行かないでね｣

｢尚、忘れておりましたが、ただいまより私、昼食をとらせて頂きますので、前言を撤回し
　ごゆっくりとご堪能下さい｣

｢その前に車の窓、開けといたら。晴れていて良かったわよね、臭いついちゃうでしょ｣

｢お気遣いありがとうございます。早速その様に、あーどうかお気をつけて、ごゆっくりとー｣

｢どう、この標高が書いてある彫り物の前で記念写真なんてどう｣

｢じゃあカメラマンさん、お願い。こんなんでいいかな｣

｢宜しいんじゃないでしょうか、でもそれだと数字が隠れて、あっ、いいよそれ。それでいこう｣

｢よーし、じゃあ出発しまーす｣

｢ラージャ｣

｢お忘れ物の確認を再度お願いします。発車しまーす、
　ところでさー、酸素ボンベ持ってきたほうが良かったかな、苦しくない｣

｢確かに｣

｢千メーター越すと一気圧下がるでしょう、それに空気濃度も低くなってつらいって言うか、
　特に俺なんかデリケートって言うか、感じやすいって言うか｣

｢ねぇ見て見て、崖のふちにいっぱいカメラを三脚に乗せた人達がいる、何撮ってるんだろう｣

｢どっかの撮影会なんだろうけど、何を撮ろうとしているのかな。夕日の落ちてくる渓谷かな
　それとも皆長いレンズ、望遠レンズの事ね、付けているから動物とかを狙っているのかな、分かりません
　にしても、皆さんお金持ちで。殆どの方が白いレンズをお使いですから。あれ高いんだぜ、400mmかな｣

｢持ってないの｣

｢欲しいけど高いから持ってない。そのためのフォトコンだって言うの知ってた｣

｢そうよね、高々一枚の写真がウン十万ってするんでしょう｣

｢最高で二百万｣

｢頑張ってね、応援するわ。それでもし、頂けたなら｣

｢何｣

｢へっへー｣

｢オッ、もう着いちゃった、到着でーす。お忘れ物の無いように、お気をつけ下さい

｢ありがと｣