2U：ぽっぷらいふ：SSブログ

	ブログをはじめるログイン

2U　[日記] [編集]

「十分ほどお持ちいただくと出来上がります。お待ちになりますか?」
「待っています」
低く腹から声を出す、同時に斜にも構えていた。惚れるなよ、。
少しのお相手、旦那への愚痴ぐらいなら
子育て、オッと、お子様はお持ちなのか。その様子じゃ無い。それよりも
あぶねぇあぶねぇ
「オートでの補正、止めてやってね、
　あっ、いたいた、彼女なら分かるから、
　いつものようにお願いしますね。」
「ハーイ。補正なしですね。分かりました。」

下取りしていただいたカメラが置かれてあったケースの前まで行く。同じ型番のカメラが五台はあったはず。
それが今や一台も無い。
悪くは無かったよ、でもN社に比べ色のり、嫌いだったけれど、負ける。
初めての一眼レフカメラであるならば、ちょうど良いかも。しかも売りに出したそれはレンズ無しだ。
全くもって、カメラ屋のための下取り品には違いない。多少の計算ミス、次もお願いします。

思っていた以上に、その仕上がりは早かった。
「お待ちのお客様出来上がりました」と呼ばれている。
「はいはい」と入り口近くにある、腰の位置より少しだけ高いカウンターまで翔る様に行く。
二枚の注文だったが、一枚ずつが半透明のビニール袋に収まっていた。確認にはうってつけだ。

「エーと、ここの所ちょっとおかしくありません、変ですよね」
見つかっちゃった、私は悪くないんですよとばかりに
「印刷をした用紙サイズが大きいものですから、2Lとか普通の写真サイズですと
　この様なことは無いのです。でしたらこれ、廃棄しますね。一枚だけの…」
「イーや、ちょっと待って、こちらも」
「同じところが、本当ですね、この辺りが。分かりました、二枚とも廃棄します。」

「いつ頃直りますか、機械」
「メーカーさんに連絡をしてみないと、ちょっと言いかねますが」
「急ぐわけでもないので、来週には大丈夫でしょうね」
「それはなんとも。メーカーさんの都合もありますし、問い合わせてみないと」

しかしここからが長く、二人は取りとめも無く、話し込むのだった。
何かを互いが、待っているかのように。

タグ：待ち時間