桜咲く：ぽっぷらいふ：SSブログ

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桜咲く　[思い] [編集]

「東京のお土産がいいよね。
エッ、硬くない物かい。ケーキなんかだと潰れちゃうし…」

この時にある物を思いつくが、口には決して出せなかった。スノーボードを興じるだけに
足腰、ウェストは引き締まり、筋肉質にも感じさせる体系には違いなかった。
その手、指、指先は、細く滑らかで器用に感じさせられる。サイズを聞く行為自体、忘れさせられていた。
いつまでも見つめていたかったから。
序に聞きだせばきっと、赤面するに違いない。
こんな気持ちを持つなんて思いもよらなかった。いるだけでホッとするなんて。
これが少しでも悟られぬ様に、言葉は矢継ぎ早に続けられた。

「ティ、他になんか、東京タワーは食えないし、八つ橋は京都だし」
「アンコとか何にも付いてないのなら好きよ、。でも東京にあるかな。」
「あるって、きっと。東京だぜ。仰るとおりにさせていただきます。」
「もう、何だって好いから。」
「善処します。ところで最近、毛が落ち着かなくて依然スタレビ(スターダストレビュー)を
　見に行ったときにシャンプーとコンディショナーを頂いたそれで昨晩初めて使ったのね。
　そしたらあんた、それはもう、こんな落ち着いちゃって髪が。今使っているのがなくなったら
　ここで使っているのに買い換えるつもりなの。どうしましょ。」
「そうね、今日はこの前にあげたスタイリングワックスを使っている訳でもないし良い感じよ。
　ところで使っているつかっています?」
「もちろん。だって最近すげーえ、癖が出始めて、。で、しょ。後でここで使っているのを見せて、よろしく。
　でもさあ、しつこい様だけれども、やっぱり一緒に来てくれるとうれしいな…
　けれど仕方ないや、朝一だからコーヒーもおいしかったよ、ありがとうね。」
「ではお気をつけて……」
実はこの時に、言い出せない自分がいるのに気が付いた。
言ってしまえばそれっきりで、その先を失う怖さを感じていたからでしょう。