「何故か知っていましたが
今日初めてテレビで見るんだよ、ジョンって。それに今の解説じゃ

良い所の出みたいだし、音楽学校までも出ているらしいよ、彼って。これって

最近の音楽で食っている奴等の殆どがそうだとは思うよ…?」

「それでどういった感じの曲を演奏するの?」

「だ、か、ら、今日初めて聞くんだよ。そういえばせいちゃんが

上手い奴がいるとか言っていたよな。」

「あの殆ど大阪に近い京都に住んでいる、小太りのせいちゃん?」

「うん、そう。でも、小太りは否定したいな。」

「あら、そう。何かくれるかな、今度会ったら言ってみるわ。」

「それは良いかも。かもで思い出した。昔彼は加茂川の近くに住んでいたのね。関係ない?」

「・・・・・まあね、。」

「それでどれほどのお手並みかと今日は楽しみにしていたわけ。確かに…

ウォー、今ん所なんてまるでジミヘンじゃん!しかも譜面に書いたように正確だし

ヒェー、ここからはどっちかって言うとベック。ベックって言っても

JEFF BECKね。イギリスはロンドン、リバプールの出身で、

ヤードバーズって言うグループでクラプトンやジミー=ペイジやなんかと

オイ、聞いているか?寝るなよ、

寝ちゃ駄目だ、死んでしまう。救助隊は今直ぐそこまで来ているぞ、頑張れー」 

「はいはい、ところで
お上手なの、どうなの?」

「大変正確な指使いに度肝を抜かされているところでして

申し分、うーお、ここなんてまるでクラプトンじゃん。

ちょっとアタックが強めで若いかなって気もするけれど。」

「好きなのね、付いていけない。」
「そりゃ無理さ。こちとら苦節十数余年、雨の日も風邪の日もまたある時は…ウン!」

「はいはい分かりました。それより大事な話があるの。」

「赤飯でも炊くように言おうか?」

 

これでこの話はお終いです。また機会があれば、そのうちに。ありがとうございました。