「ええ加減にしたら、そないなもんでええんちゃう」
「だってさ、こいつったらさ、もうこれ以上のベストショットは狙えないって言うんだぜ。
 あっ、たま来ちゃうじゃんかさ。大体がこいつと一緒にやろうとした俺がバカだった」
「アーあ、そうですかそうですか、どうせアタシャ、やらずの二十歳ですよ」
「何もおまえねぇ、そんなことは言ってないし。ただお前からは色気も感じ」
「ほーら言ったじゃん。だから誰か、誰でもいいから紹介して、お願い、」
「無理。お前みたいな奴には無理。紹介してもきっと彼女らなんかと話し合わないし、
 みつがさせられるだけみつがさせて、ハイさようならって。それでも」
「それでも良いから、ねっ。お願いします、神さま仏さま西本様」
「はいはい、そのうち機会があれば。聞かなかったことにしておくわ」

「よっ、ご両人、何を盛り上がっているんだい」
「いやーこいつ三枝がさ、オンナ紹介しろってうるせぇの」
「紹介してやったら西本。お前あまってんだろ、分かれる好い口実が出来たじゃん。
 使い古しのボロボロで、それでもよければね」
「失礼な何を言う。赤子を扱うかのようにだな、それはそれは優しく甘美で甘くスィートな一時を
 何を言わせる。デリケートなもんなんなだよ。まっ、感度だけは鍛えておいたから」
それを横で固唾を呑んで聞いていた田中が急に口を開いた。
「アーラ、そんなことも無いんじゃないの。もう皆卒業でしょう。素敵なお嫁さんを夢見て
 前途有望な男子求めて探している、選んでるって。もちろんあんた達は選外、だよね」
聞かされる男子もこれには薄々気が付いてはいた。口を揃えて
「ちゅうー事は、やっぱりお前もなのか」
と。すかさず
「当然でしょう、バッカじゃない」
とだけ答え、その場からは何事も無く急に去っていた。