「エーと、この三枚を出そうと思うのだけれど如何かな」
「組み写真として、だったら悪くないんじゃない」
「よっしゃー、これで決まりだ。君にお墨付きを頂いたんだから間違いないよね」
「大丈夫よ、きっと。部長以下全員がほめてくれるんじゃない」
「くわくわくわくわくわ、けけっケー、どんな問題、俺にだって出来るんだぜ。よーし
 俺に一生付いてくるかい」
「誰にでもあんたそんなことばっかり言っているんでしょう。その噂で世間は持ちきりだって
 鷲田がこの前の飲み会で言っていたわよ」
「おいおい、あいつと俺とどっちを信用するんだ。場合によっちゃ告訴もんだ」
その時、どこからとも無く現れていた小沢の口からは、こう漏れていた。
「僕は間違いなく、彼女の弁護席に立つな。一人だけいい思いしやがって、聞いているぜ
 たまには紹介しろよ。そうしたら考えないでもないけど、
 やっぱりお前の悪行を成敗してやる、覚悟しとけよ。
 田中さん、俺はあんたの見方だから心配するなって。」
「少なき友にも裏切られ、果てさてこの先どこへ行くのやら、それはまるで夜を彷徨う」
「オッ、良いね、そのナレーション。さすが俺の友達吉田君」
「果たしてこの先どうなるのやら」
おいおい、まだ続いているのかよ
「神のみぞ知るということで、今日のところはこの辺でお開き、
 ありがとうございました。またお会いする日を楽しみです、ではまた。」
「何なんだお前、遅れてきやがって。帰る時間が遅くなるじゃねぇか神谷」
「わーり。ちょっと妹が駅まで車に乗せていけって言うrから遅くなっちまった。この埋め合わせは
 二次会のときに焼酎おごるから、な、な」
「今度からきー付けーや」
「ところでこの写真良いじゃん。おねむしてんだ。」
「ほっほっほっ、君だけだよほめてくれるのは。田中さんなんてひどいんだぜ」
「アーラら、また田中かよ。もうどこまで行ったの」
「何にもまだありません。あんたもなんか言ってやってよ」
「ちゅー事で、さらばじゃ。ではまた、あっ、バイトバイト」

その、さりげなく去リ行く彼の後姿に、そこはかとない喜ばしさを感じえるのは言うまでもなかった。