家に戻り、二日が過ぎようとしている。写真の整理を急がねばならない。
感動が消え失せぬ間に送り届けたいから。
しかし、式中その殆どは、食事に費やしていた。洋食の常として、次から次へと容赦のない
サービスがそうさせるのか、はたまた食い維持がそうさせるのかは定かでない。前々回にお伝えしたと思うが、
名取である方の舞にはそれでも思わず席を立っていた。他の出演者からは、感じるものがなかったからだ。
存在感と言い、一目瞭然でしたね。その立ち振る舞いは。
ただし、前々回に見ていただいたそれは顔面を覆い隠したのを選んだだけに、
この写真で最も撮りたかった部分である
踊り手の背景の二分が甘く、左右を分割したを選べなかった点を悔しく思う。悪しからず。
因みに当事者へは選りすぐりの三枚を、プリントアウト後に送っている。

届いたであろうその日の晩に、親戚である新婦側の母親から、お礼の電話を頂いていた。
綺麗に撮れているわね!!まるでプロみたい、と仰る。そうですよね、もし貴女が
支払ってくれるならプロなんですが…、頂戴、と脳裏を掠めるものの

「いやー、喜んでいただけるだけで幸せです。この日の為にカメラを持っているようなものでして
 ハイアマチュアですよ、ハイアマチュア」
この時もまだ、心の底には、か、の一文字がちらついていた。
そう言えば前日のディナー、ホテル代、挙式にかかった費用を考えれば余りある。
何も出来ないが、せめて写真位はとお送りしたのに。なんて馬鹿なことを思うのだろうか。
大好きな、ノンちゃんの華々しい席だと言うのに。僕にだけ、引き出物をつけてくれたではないか。
きっとお兄ちゃんも、早く幸せになってね、とメッセージをくれたのだろう。
必ず直ぐに返すから、と感じてくれていたのだろう。そうしなくっちゃ!!!