何処へ行っても、そこはかとない、要領さえも見当たらない、
取り止めない会話を繰り返していた。専門分野的な世間話なだけに
店主からは待望の声が聞こえてきそうだ。されど、購買意欲をも示さねばと思い、
おっと、私使用のカメラと同じメーカー製であるマクロレンズが中古ではあるがまだあった。
詳細な説明を求める。欲するレンズとは異なるのを知りつつだけに、
帰るきっかけはまた失っていた。すると先ほどまでに集めたフォトコンテストのビラついての説明を
一枚一枚それぞれに聞きだしていた。地方自治体が主催するコンテストの入賞作品を白々しくも
二人は感動、感心さえも装っていた。その時に応募作品全てを展示するらしい募集をもみつけだすなり
「かえって下手なのは出せないよね、」
と二人、苦味あってしまう。アーあ、決め台詞みつからねぇー!
悪知恵とは言い切れないまでも、
「ほな、明日にでも春ゆうか桜とか、このコンテストに準じる写真を撮ってまた来ますわ!」
「今ちょうど四つ切りワイド四つのキャンペン中なんですよ。お待ちしています」
「よっしゃー」
この賞金が無いコンテストへは昨年も応募をし入賞した。それ以上の作品、
あの時も別の店の店員に選ばさせた別段どって事のない作品?を選出してくれただけに
今回は入賞すら難しいだろう。しかし昨年の大会でその傾向が垣間見れただけに
主催母体が新聞社と考えればパンフォーカス的な写真が好まれるのであろう。尚パンフォーカスとは
呼んで字のごとくフォーカスポイントが破裂し、無となった見たまんまで全体的に写った場合を言うらしい?
ところで某カメラメーカーの壁掛け用カレンダーを使用する。4月には杉をバックに開花した枝振りの良い
桜を使っている。その時に空は暗雲が立ち込めている。誰もが待ち望むであろう青空ではないのだ。
これはきっとカレンダーだからこそ選んだのであろうが、花びらは赤く帯びを得たように感じさせらる。
全ての月を見てないが、きっと全ての月がこのトーンでなのであろう。決して曇り空であってもめげはしない。
恰好の写真であるならば。
それではまた、お元気で#59000;