野郎二人だけで眺めるだけ眺めても、埒(らち)が明かない。
既に身支度を整えるなり、会計を済ませベルは鳴らされていた。
「もっしー、オレオレ、俺」
「振込先の講座を言ってください」
「モノ分かりのいい事で、終わったんだ。例の件、この場所で。午後六時に了解していただけますか」
「分かりました。早速そちらへ向かわせていただきます」
「気をつけて」
「お前もな」
二十分ほどで待ち合わせ場所である、こ洒落れたレストランパブに到着をした。
見覚えのある車を確認するなり、分厚いドアは押し開けられ、窓際の席から手を振る様子が伺える。
満面の笑みを浮かべ此方を手招きしている。丁重に案内を断り、その席へとついていた。
「おひさ、」
「元気してた」
「ちょっとはね、ところで」
「分かってるって、お題、題名でしょう、今考えていたとこ。それに写真見てみないと」
「じゃじゃーん、これっす、どんなもんでしょう、顔も上手に後ろ向きだし、」
「何処、なんてのはどう」
「愛は永遠にか」
「心にもないことを、軽口たたくと嫌われるよ。今に始まったことじゃないか、今日、お疲れだし
 今日はごちになったら帰って寝るから」
「喜んで。本日は大変お疲れ中来ていただき、更には良いアドバイスをありがとうございます。
 今日のところはこの辺で。ごゆっくりとお休みになって下さい。引きとめはいたしませんので。
 それでもし宜しければ、明日のお昼をご一緒していただければとは思うの、」
「ごめん、明日は詰まってる」
「ラッキー」
「エッ、なんか言った」
「特に」
「そっ」
しかしその後二人は、夜のしじまへと消えて行ったらしい。
元気だっちゃ。