「というかさ、最近、ごく最近だよ、
 プリントアウトしたい写真が見当たらなくなって、て言うか
 何を探していたのかが分からなくなる現象に悩まされているんだ。
 何なんでしょうね」
「そうですね。もう少し詳しい症状を、お聞かせ頂けないでしょうか」
「実は夜寝る前に良いアイディア浮かび、それに使う写真を思い浮かべるのですが
 次の日の朝には、それでもまだ薄っすらとだけですがあのアイディアだけは残っているのですが
 実際の場面に出くわすと、その面影すら残ってないのです。朝食が原因なのでしょうか」
「そのような現象、事例は数多く伺っております。ただあなた様
 ぽっぷらいふ様の場合は少しこのケースとかけ離れているとも考えられます。では、
 そのままの状態で目を閉じてください。数を数えます。私がいいと言うまでは、
 決して目は開けないで閉じたままでいてください。いいですか、それでは、はい、一、二、三…」
「声は次第に聞こえなくなりますよ、大丈夫ですよ、ハーイそのまま」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「もうそろそろ、宜しいですか・・・」
「おーい、まだですか」
「明けちゃうよ」
「まだ」
「君を信じた俺がバカだった」
「本、当に、明けるからな」
「明けるぞ、いいな」
「君を見れないなら死んじゃう
 おーい」
ここでふと、悪夢から目を覚ましたぽっぷらいふ。ましてや横に寝そべる人影なぞ、何処にも見当たらなかった。